同じ映画でも

午後のひととき、何気にBS放送
懐かしの映画が放送される事を知って録画。
それを見た。


映画『マディソン郡の橋』懐かしい。
何回目だろう…3回目か4回目か…
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初めて観たのは映画館だった。
独身の頃、まだ20代前半だったと思う。
誰と観たのかは内緒。


お洒落な映画だと思って観たら、
中年のオッさん(52才)とオバはん(45才)の不倫の映画だった…。
あんまり、良かったイメージは無く、
内容も良く把握出来てなかったと思う…。


自分がまだ若く、独身だったし
多分、この映画で言う所の、主人公の
フランチェスカ(メリル ストリープ)の
子供達の目線で観ていたんだと思う。


この映画は、
主人公のフランチェスカの死後、
大人になった娘と息子が遺品関係の
整理をする場面より始まる。

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(初めて観た時は意味が分からなかった…
誰が主人公でいつから、物語が進んでるのか
頭が悪すぎて、理解不能なまま観ていた…)


当然、子供達目線(年齢的にも)で
観てしまっていたので、後味悪い映画で、
不倫相手のロバート(イーストウッド)が
嫌いだった…この人さえ出て来なければ…
そんな風に観たのを覚えている。



あまり、好きじゃない映画と記憶したまま
30代で、今度は家のテレビで見た。
自分は結婚して母になってから。



30代の自分は、
今度は主人公フランチェスカの目線で見ていた

20代の頃とは違う感想だった…。

お互い好き同士なのに、一緒になれない
何とも切ない物語に イメージが変わった。
ロバートを取るか家族を取るか…
自分がフランチェスカになりきって見入って、
涙したのを思い出す。
勝手なもんだよね〜。

それだけ、年齢や自分の置かれている状況や
立場によって、同じ映画でも全く違う
印象に映るのね〜。コワ。
ほんと勝手なもんよねぇ〜。ウヘヘ。




夫が思春期の子供達を連れて、4日間
子牛の品評会だかに出かけた。
その留守中の、4日間の出来事がこの物語。


道を迷って尋ねて来た、
見知らぬよそ者のカメラマンに、
目的地の橋まで案内するのが始まり。

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その帰り道、フランチェスカの方から
夕食を誘う。自分も1人だからと。


キャッキャと楽しい話で盛り上がる2人
カメラマンの旅先での話に花が咲く。
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夕食後も外を散歩したり、またお酒を飲んだり
話は尽きない。
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その後、ロバートが帰った後、
フランチェスカは手紙を書いて、夜中に
あの橋へ貼り付けに行く。大胆な行動。
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ここでも誘ったのはフランチェスカなのだ!
そう、いけ好かないチャラ男だと思っていた
ロバートは、自分からは誘っていない。


白髪で結構な老人に見えるけど52才設定には無理がある、ロバートは、
(当時60代のイーストウッド
礼儀正しく、紳士で、いやらしい
下心丸出しなゲス野郎では無かった!



40代の今、この映画をまた見て、
わたくしは何と!!
ロバートの目線で見ていた。



この作品で、1番嫌いな役だったロバート。
実は、何も悪い人では無い。
逆に、1番可哀想で気の毒なのは
ロバートなんじゃなかろうか…。
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仕事で道を尋ねただけなのに、
毎夜、食事に誘われて、誘惑されて…
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フランチェスカに引っかかってしまった…。


離婚歴があるとは言え、独身のロバートには
何の問題も無い。
相手を思いやる優しい気遣いもある。
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問題なのは、人妻フランチェスカの方…
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短い時間でどんどんと2人は距離を縮める。
フランチェスカが誘惑しまくるんだけどね。


ガツガツとしていない所がいい。
大人だわね。
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一線を超えてしまう決断をしたのも
フランチェスカ




夢の様な4日間が終わってしまう…
あっという間に、さいごの晩餐
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短過ぎる4日間
別れたくない2人
でも明日には家族が戻って来る…。
終わりにしなければならない。
もしくは、全てを捨ててロバートと…



ロバートは自分が転々と写真を撮りながら
向かっていた場所はここだったんだと言う。

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君に会うためだったんだと。



そして、フランチェスカを初めて誘う。
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この時、フランチェスカは荷造りをして
1度は彼と家を出ようとした…
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でも、冷静に考えてとどまる。

家を出れば、残された家族はこの小さな村で
噂され、どんな思いをするだろう…
夫も子供達も…


一緒に行ったら行ったで、家族を捨てた事に
ずっと苛まれ…この4日間の事をいずれ
後悔する事になる…

この4日間を永遠の物としたい。美しいまま。



そう、フランチェスカは自分よりも
家族の幸せを選んだ…


ロバートは、まだ2、3日はこの街に居ると、
家族に会って、気が変わるかもしれない、
その時は…





翌日、家族は戻り
また日常が始まる…


フランチェスカは旦那さんと買い物の車の中。
外は雨…
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ずぶ濡れのロバートが雨の中現れる
多分、これが最後…ラストチャンス…
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フランチェスカ達の車の前がロバートの車。
ロバートは、ミラーにフランチェスカから
貰ったネックレスを掛ける。
2人にしか分からない事。
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信号が青に変わっても、止まったままの
ロバートの車。
ロバートは待っている。


フランチェスカの葛藤…
このドアを開けて
今、ロバートの元へ行く事も出来る…
車のドアのレバーを握るフランチェスカ
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息をのむシーン
どうする?フランチェスカ!!
行ってしまうの?
車のドアを開けて彼の元へ…

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行ってしまうの??
行っちゃって!!

もう、どっちがいいのか見ている方も
分からない…
いつしか、行ってしまう方を願う…。
この映画の、最大の見せ場。泣ける。
(バスタオルを用意した方がいい)

旦那さんがクラクションを鳴らす。


ロバートの車は進んだ…。
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フランチェスカは涙がこらえきれない…
旦那さんは、どうしたんだ?と心配する。
その向こうに、ロバートの車は行ってしまう…
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フランチェスカは行かなかった…
可哀想で切なくて、涙無しには見てられない…
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時は過ぎて
フランチェスカはお婆さんになっていた。
旦那さんを看取り、一人暮らしの老婆。


1日足りとも、あの日以来
ロバートを思わない日は無かった。



ある日ロバートが亡くなり荷物が届く。
入っていたのは、手紙、カメラ、
あのネックレス、彼のブレスレット、
そしてあの日々の写真集…
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写真集の中には、
自分が食事に誘った時のあの手紙が…
ロバートはずっと持っていたんだね〜。
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年老いたフランチェスカ
実年齢も当時45才のメリル・ストリープ
老けさせるって凄いよね〜お見事。
ロバートの遺品を受け取り涙するシーン
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そしてこの映画は、冒頭のシーンへ繋がる。
その後、フランチェスカが亡くなった後、
この一連の出来事がノート3冊に書いてあり、
自分が死んだら、
火葬して灰をあの橋から撒いてくれと。


ロバートがしたように…



最初は、冗談じゃない!と怒っていた子供達は
全てを知って、遺言通り、
フランチェスカの灰をあの橋から撒いた。

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やっと2人は一緒になれた。
子供達に認められて…。







見終わった後、2〜3日引きずるよ…
何が幸せか考えさせられる…


40代の今、わたくしはロバート目線で
この映画を見た。
ロバートも、死ぬまでフランチェスカ
想っていたんだよ。何て純愛。


オッさんとオバはんの不倫映画は
自分がオバはんになってから見ると、
オッさんの気持ちも分かると言う…

何て、切ない物語。



でも、この映画…好きだな。
テレビだったから、かなりカットされてた。
フルバージョンでまた観たいな。


今は素敵に見えるロバート
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フランチェスカは幸せだったのかな
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この映画好きだなぁ…
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また見たい
また見たい
また見たい






台風無事であります様に…。



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